BIR: 合本:カミーユ班長シリーズ/ピエール・ルメートル
合本 悲しみのイレーヌ その女アレックス 傷だらけのカミーユ/ピエール・ルメートル, (翻訳: 橘明美)
- amazon: 合本 悲しみのイレーヌ その女アレックス 傷だらけのカミーユ
あらすじ
※ Amazonより抜粋
ピエール・ルメートルが放つ傑作ミステリ、カミーユ警部シリーズの三部作を合本に! あなたの予想を全て裏切る究極のサスペンス!>
「悲しみのイレーヌ」
異様な手口で惨殺された二人の女。カミーユ・ヴェルーヴェン警部は部下たちと捜査を開始するが、やがて第二の事件が発生。カミーユは事件の恐るべき共通点を発見する……。ミステリ賞4冠に輝く衝撃作。あまりに悪意に満ちた犯罪計画――あなたも犯人の悪意から逃れられない。解説・杉江松恋
「その女アレックス」
おまえが死ぬのを見たい――男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが……しかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。イギリス推理作家協会賞受賞作。
「傷だらけのカミーユ」
カミーユ警部の恋人が強盗に襲われ、瀕死の重傷を負った。一命をとりとめた彼女を執拗に狙う犯人。もう二度と愛する者を失いたくない。カミーユは彼女との関係を隠し、残忍な強盗の正体を追う。イギリス推理作家協会賞受賞、痛みと悲しみの傑作ミステリ。解説・池上冬樹
ミステリなので、一応感想下げ〜
感想
全部面白い。 久々にミステリー読むので、ミステリー読めるんかわい……と思ったが、まじで一瞬で読めた。 といっても正直母が好きだったアガサ・クリスティとかコナン・ドイル、江戸川乱歩、横溝正史(何故か全集合本を買った、まだ半分くらい残ってる)東野圭吾を少しくらいしかちゃんと読んだことはないけれど……。 面白いミステリー、面白いのでまじで一瞬で読み終わるなと…夢中になるぜ……。 一冊読み終わった興奮そのままに次にいけて、合本のよさまで味わった。まじですぐ読み終わったなあ。
なかでもやはり「悲しみのイレーヌ」がやはりダントツ面白い。
日本で先に翻訳されていたのは、シリーズ2本目の「その女、アレックス」だったのか・・・・・。 悲しみのイレーヌが処女作と・・・・・やべー処女作かくなあ。
女が死にまくる!!!!ミステリーとはそういうものであるということを如実に表していてすごい。
なんか人物の容貌などに関しての記述が多くてそこがちょっとなと思っていたら、そういう理由かーーーー!!!!!!!となって、そういうことかー!!!!!
一応犯人予想しながら読んだりするのであたってたとかあたってなかったとかもあるけど、そういうことじゃあねえんだよ!感がすごいあって、面白いなあ。 こういう文章でのトリック仕掛けるの上手い人ってすごいまじで。
最近だと背筋さんhttps://kakuyomu.jp/works/16817330652495155185とか。 記述トリック?わからんけど、こういうのできるひと、めっちゃすごい、天才か?
物語すべてを通して、策にはめられちゃったなあ〜という、天才か?
映画、アニメ、劇、とか他の分野では表現できない、小説を愛していて、文を通して、文字だけで勝負。その力強さとセンス、天才すぎる。 天才か?
人物の容貌についての表現は、美人・不美人あたりはまあ仕方ないかなと思うが、全体的にちょっと男性的だなとは思った。 ただ、基本的に身長や体格、スタイル(ファッションなど)に言及している部分が多いのも、カミーユらしいなという思い。カミーユの視点を彷彿とさせてよかったなとは思った。
ちょこちょこ出てくる絵画作品も良い。カラヴァッジョ私もめっちゃ好き〜。
解説で、カミーユの新作待ってますって書いてあったが・・・・・・・・・・・・・
これ以上カミーユに色々させるのは哀れがすぎるだろという思いと、 これで最後なんだろうなという良い締めくくり方だったように思う(結果カミーユは自分の傷に向き合うというより、捨て去ることしかできないという描写など) あと、ある人物の死こそ、このシリーズの根幹部分だと思う。 その人物=このシリーズでやってきていた過去の警察組織の調査と犯人特定、犯罪者の逮捕のための行動を象徴するものであって、 その人物の死=今までのやり方の死であることが表現されているとおもう。
そしてそれは、カミーユの今までのやり方、カミーユという切れ者の警部とそのチームの喪失 (= 世間一般的にそれらの個々の力に頼った「警部たち」は主にそこまで必要とされなくなった状態)を表現しているとおもう。
アレックスまじでガッツがある・・・・・・・・・アレックス、まじで、アレックスのことあれしたやつほんま許せん。アレックスはまじでガッツがある・・・・・・・・・アレックス(´;ω;`)ワーン
あと全編を通して、めちゃくちゃルイxマルヴェル!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! マルヴェル捕まるときの感じもめっちゃルイマル・・・・・・・ほんとに、「めっちゃルイマルやん」という声が出る・・・・・・。 悲しみのイレーヌ前の平和時空ルイマルとかの同人誌、山程でとるやろ?!!?!?
ハイライト(してたとこ)
- P. 350
- 自分はわざと腹を立てたフリをしているとカミーユは気づいた。敬意を払われることに慣れてしまったせいだろうか。
- P. 392
- ヴィギエから見れば、この小説はすべてビュイッソンだということになる。ビュイッソンが世界をどう見ているか。現実をどう都合よく変えているかが書かれている四百ページに及ぶ幻想の世界だ。
- P. 406
- 真実を言うこと。なにも隠さないこと。相手がすでにわかっていることもあえてはっきり言葉にすること。それが最良の道であり、この場では唯一の道でさえあることをこの精神科医走っている。
- P. 470
- なぜならなにごとも節度が大事だからだ。自分にいつもそう言い聞かせているので、他人に対してもつい節度を求めてしまう。そこが問題だと自分でも思う。
- P. 641
- かつては若く愛に飢えていたのに、それがいつの間にか酒浸りになっている。そんな女たちに見られるような危うい共存だ。